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瀬音とボクとよしみくん
第33章 マリアの約束
「ずっと見てた、の?」


「ぁん? なにが?」


「もう!」


恥ずかしすぎる。


両手で顔を隠す。


ボクは夢精していた。


そして、それをあろうことか瀬音くんに見られていた。


恥ずかしすぎるよ。


ありえないよ……


なんで?


これならクラスメートに見られていた方がずっとマシだよ。


「おいっ、どうしたんだよ」


「見て、たんでしょ?」


「なにをだ?」


瀬音くんはしらばっくれる。


それとも、本当に知らない?


瀬音くんの顔を見ると、その顔はやっぱり知ってる顔だ。


ニヤけていて、ボクをからかっている。


「ひどいよ」


「だから、なにをだ?」


「言えるわけ、ないじゃん」


「言ってみろよ」


「言えない」


「俺は、我慢できないんだ」


「ちょっと、やだっ」


瀬音くんがボクの手を無理やりはずす。


間近に迫った瀬音くんの顔を直視できずに顔をそらす。


なのに、そらした顔をまた、無理やり戻す。


瀬音くんの顔は間近に。


あぁ、このままキス……


それは夢の続き。
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