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瀬音とボクとよしみくん
第34章 おまけ③ リクエスト
「今からですか? いや、しかし……」


「大丈夫だって、今は夕方の27時、夜の36時までに帰ってくればいい」


「しかし、ジュノがいないのがバレれば、大騒ぎになるんじゃ……」


「そ、そうだよな、すまん。忘れてくれ」


ジュノは悲しい笑顔に。


「いや、行きましょう。行こう、ジュノ」


「え……」


「まかせろって、何度も寄宿舎の脱走に成功したこのザックに」


「あぁ、そうだった。ザックについてって、何度、懲罰を受けたことか」


「は? 逃げたい逃げたいって、いつも泣いてたのは、どこのどいつだ?」


「あーん。それを言うか? たくっ」


俺らは、久しぶりに笑いあった。


ジュノのこの満面の笑顔も何年ぶりだろう。


あぁ、ずっと、こうしたかったんだ。


「そうは言ってもどうやって抜け出す?」


ここは、帝国の迎賓館。
帝国や、周辺の友好国の重鎮たちがひしめきあっている。


なにしろ、世紀のロイヤルウエディングだから。
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