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第3章 水の中での戯れ

「朝起きられないし、ご飯作れないもん」

「独身の時は目覚まし三個と、缶コーヒーで凌いでたでしょ」

「玲那に起こして欲しいし、玲那が作ってくれた朝ご飯を食べて、仕事に行きたいんだ。その毎日に慣れてしまったから、もう目覚まし時計とコーヒーだけの生活には戻れない」

賢哉は断言した。

「賢哉みたいなひとが私を選んでくれたのは本当に不思議だなって、久し振りに思ったの」
彼の本気さはいつだって揺るぎなく、何度疑問に思ったか知れない事を玲那は呟く。

「不思議でもなんでもない。好きだから以外ないよ」

僅かのぶれもなく答えるのも、付き合い始めた時からちっとも変わらない。

切ない吐息を吐いて、賢哉は腕の中の妻にやるせない気持ちを打ち明ける。