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第3章 水の中での戯れ

ドアの向こう側に妻を見送り、賢哉はようやく自分の着替えに取り掛かる。

毎週欠かさず見ている、犯罪心理ドラマ。

オープニング曲をハミングしながら、手早くバスタオルを使い、服を身に着けてゆく。

妻に対してはあれほど丁寧だったのに、自分の髪はタオルでざっと拭いただけであっと言う間に終了する。

腰まで届く妻の髪と男の短いそれでは比べるまでもないが、それにしても大分適当感は否めない。

だが当の本人はまるで気にする風でもなく、タオルを肩にかけた。