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イケメンエリートの欠点
第4章 幸せに揺れる日々
「ところで賢哉」

「ん?」

「どこに行こうとしてるの?」

玲那の素朴な疑問に、賢哉は苦笑する。

「どこって、玲那が三階に行きたいって言ったんだろ?どうしても欲しいものがあるって」
ー忘れちゃった?

賢哉に笑われ、玲那はようやく思い出す。

あの場から逃れる口実で吐いた嘘を訂正するのを、すっかり忘れていた。

「なんでも買ってあげる。洋服?コート?化粧品…は、一階だから違うか」

うきうきしてるところ水を差すようで大変忍びなかったが、玲那は夫を制する。

「その事だけど、嘘なの」

「嘘?」

「望加子さんの話が長くなりそうで、咄嗟に口から出まかせ言っちゃたの」
ーごめんね?

玲那が謝れば、三階に到着した途端、賢哉のがっかり感半端ない声が響く。
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