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第5章 かけ離れた幸福

「『旦那の愛が深過ぎて辛い』なんて、悩みじゃなくてただののろけでしょ」

「緋音《あかね》さん酷い。私、真剣に悩んでるから相談したのにい」

海老と怒りで膨らんだ両頬で玲那が軽く抗議すれば、緋音は全く関係ない指摘をしてくる。

「玲那さんいつも豪快に食べるから、試食の時ほっぺた膨らんだリスみたいだよね。今日はそれに怒りがプラスされて、正にリスそのもの」

春雨サラダを食べながらからかってくる緋音に、玲那は増々頬を丸くさせる。

それを見た緋音は耐え切れずに噴飯し、中華料理に舌鼓を打っていた料理教室の生徒達の注目を一気に集める事となった。