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イケメンエリートの欠点
第2章 交差する妬みと思い出
昨日の経緯を賢哉が一通り説明し終えれば、またしても形容し難い静寂が訪れる。
次に繋げたい言葉は互いに持ち合わせていた。
なのに躊躇い、声には表せない。
ただでさえ残された時間はもうない。
黙っていれば黙っているだけ焦りは募り、追い込まれ、何も言えなくなってしまう。
何やらただならぬ空気を纏い、ふたりして佇んでいるものだから、擦れ違う観光客がちらちらこちらを気にしているのが分かった。
余計に居たたまれなくなってくる。