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イケメンエリートの欠点
第7章 波乱の予感
「ほらほら、遅刻しちゃうよ」
「わ、だめだよ玲那。お弁当傾いちゃうってば」
「じゃあほら、早く」
「分かった分かった」
ひと悶着の末外に出れば、同じアパートの一階に住む隣人も、ちょうど玄関前に出たところらしかった。
人目も憚らず、早朝からいちゃいちゃとーきっと絶対そう思われているに違いない薄ら笑いで、軽く会釈される。
深々とお辞儀をした玲那は、爽やかな笑顔で挨拶を交わそうとする賢哉の腕を取り、通りの道路へと小走りに進んだ。