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イケメンエリートの欠点
第8章 天秤にかける選択
「将来を約束された有望なイケメンエリートと、まあまあイケてる程度のカフェ店長の元カレ。どっちがいいかなんて考えるまでもないか」

美祈はひとり納得し、結論付ける。

なかなか辛辣な事を言っているのだが、本人にその自覚があるかどうかは疑問だった。

「仕事だけじゃなく、玲那さんの旦那さんって率先して家事も手伝ってくれるんだよね。うちのダンナに爪の垢煎じて飲ませてやってよ」

愚痴る美祈を曖昧にかわし、今度こそと玲那はカップに口をつける。

「夫婦仲も問題ないし、デキてもおかしくない頃じゃない?」

「デキる?」

「こ・ど・も。結婚して一年ならそろそろ…でしょ?」

品の欠片もない美祈の笑みに、玲那はコーヒーを吹き出しそうになった。
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