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乳房星(再リフォーム版)
第152章 泣いていた女の子
「溝端屋のダンナ…」
「イワマツくん、大丈夫かね?」
「大丈夫じゃあらへんねん…心身ともにしんどいねん。」
「そうか…イワマツくんも大変だったね…きょうは、イワマツくんにええもんみしたろと想ってきたんや。」

ええもんみしたろって…

一体なやねん…

溝端屋のダンナは、コンワクしている私に1枚の写真をみせた。

1枚の写真は、南アジアの系統の男の写真だった。

私は、溝端屋のダンナに写真の男のことを聞いた。

「この男性は、誰なのですか?」

溝端屋のダンナは、私にえげつない言葉を言うた。

「写真の男は、イワマツくんの実父や。」

それを聞いた私は、全身が凍りついた。

ウソやん…

そんなんウソに決まっとるねん…

私は、ダンナに写真の男のことを聞いた。

「ダンナ。」
「なんぞぉ~」
「私は、父親…いえ、両親の顔…しらんねん。」
「せやったのぉ…イヤなことを思い出してすまなんだのぉ~…この男は、イワマツくんが生まれた年に今治の建材屋の経営者のどら息子を殺して逃げた…その際に、わしらが世話したったんや…その恩をきれいに忘れた上に、数人の子分どついて逃げたんや…」
「そんな…」
「この男は、今もこのキンペンにセンプクしとるさかいに…もし見かけたらわしらにしらしてくれ…ほな…」

溝端屋のダンナは、私にこう言うたあとその場から立ち去った。

ワケが分からなくなった私は、ボーゼンとした表情で立っていた。
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