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それでも僕は
第11章 11★





「ううう…優馬…助けて…」
「ごめん、無理」
「喋ったせいで計算間違っているぞ」
「ひぃ!?」
スパルタな律に怯える宏。俺はやれやれと肩をすくめた。
「律…ほどほどにね」
さすがに可哀相だったので律を宥めるが、これが限界だろう。ふたりは相性悪いようで、相性良い…のではなく、ただ面倒になっただけな気がする。
「やっと終わった…」
律のスパルタな手伝いもあり、宏はなんとか課題を終わらせる。
「そういえば…」
宏が天井から俺に視線を移動する、なぜかニヤニヤしている宏に嫌な予感がする。
「さっき女子に呼び出されたみたいだけど?何だったんだ?」
露骨に不思議がる宏、さっき律にもっと厳しくするように言えば良かったと後悔する。
「橋本さんとかに告白されたんじゃないか?」
「……なんで分かった?」
図星だったかと律は肩をすくめ、宏はなるほどと納得した。
「橋本さん、優馬のこと好きだったみたいだしね」
「……本人は全く気付いていなかったみたいだがな」
鈍い奴と苦笑する律。
「優馬って人たらしなんだよな…無自覚だけど」
「……無自覚だから人たらしなんだろう、老若男女問わず引き付けるのに、自分の魅力には無自覚で危なっかしい」
なぜか意気投合し始めるふたり、褒めているのか、からかっているのか分からず複雑な気持ちになる。
「んーっそろそろ帰るよ、じゃあな」
「ちゃんと勉強しろよ、八木」
俺は宏から課題を受け取ってようやく課題を職員室に持って行ける。
「優馬ってクラス委員だったけ?」
「いや、クラス委員の人が外せない用事があるとかで代わりに集めている」
律はやれやれとため息を吐いた。
「優馬は人が良すぎるよ、もっと周囲を頼ることも考えないと」
「…律は心配性だな」
厳格そうで意外と優しく心配性な律。でも俺は律が思うほど無理はしていないし、支えてくれる人もいる。
(本当に俺が独りなら頑張れないよな)
ケイや優斗さんがいなかったらここまで頑張れなかっただろうなと思う。
「半分、持つよ」
律が課題を半分持つ。律の気遣いに俺はクスッと笑みを漏らす。俺は律と一緒に課題を出しに職員室に向かう。
「うーん、じゃあ部活行こうか?」
隣にいる律が短く頷く。
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