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それでも僕は
第12章 12※




「…と言う訳で宗田のほうから南先輩に彼女いないか聞いてみてよ」
「ここまでやってダメなら潔く諦めてください」
僕は沢村くんの頼みをキッパリと断る。南先輩と今日初めて話した僕にそんな期待をされても困る。
「そう言わずに頼むよ~色んな女子に南先輩の彼女の有無を聞かれるんだ…ほら、これあげるからさ」
沢村くんは苺の乗ったショートケーキを僕に渡していつも一緒にいるメンバーのところに戻って行った。僕はため息を吐いて元の席に戻る、僕が元いた席に戻ると南先輩の姿はなかった。東雲先輩に呼ばれたのだろうか。?と思いながら僕はウーロン茶をちびちび飲む。
(僕、甘い物苦手なんだよな)
甘い物が苦手な僕は沢村からもらったショートケーキをどうするか悩む。
「あ、遅かったね、宗田くん」
戻って来た南先輩が持っているトレイを見て僕は顔をしかめる。チョコケーキやらパフェやらを大量に持って来た。南先輩は甘党なのか美味しそうにスイーツを食べ始める。南先輩の表情が緩む。いつもはふわっとした笑みに対し今はふにゃっとした無邪気な笑みを浮かべている。なんか南先輩が可愛く見える。自分より長身の男に可愛いって何だろう?と首を傾げ僕は沢村からもらったショートケーキに視線を落とす。
「南先輩、どうぞ」
「え?良いの?」
「はい」
僕は持て余していたケーキを隣の南先輩に渡す。
「なんかごめんね」
「いえ、僕は甘い物が苦手なので」
正直無理やりケーキを渡され困っていたので、代わりに食べてくれるのはありがたい。南先輩は破顔しながらスイーツを食べる。
(やっぱり可愛い)
これが僕と南先輩の初接触だった。僕はこの時から南 優馬という人間の底無し沼のような魅力に沈んでいくことになる。僕が南先輩への感情を理解するのはずっとあとのことだった。








1年の1学期が終わり、夏休みがあっという間に過ぎ去った…周囲の予想通り東雲先輩がバスケ部の部長に就任し、沢村くんなどの問題児に手を焼きつつバスケ部を纏めていた。徐々に変化していくなか、僕は相変わらず淡々とバスケの練習をしていたら何故かレギュラーを貰えた。正直、バスケのレギュラーには興味なかったが南先輩と話す機会が増えたのは何気に嬉しかった。
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