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それでも僕は
第12章 12※




「宗田…良いところに」
「どうかしましたか?」
体育館から教室に戻る途中…担任に呼び止められる。
「実は小谷のことだが…」
クラスの問題児…小谷くんはちょくちょく暴力事件を起こしかけている。なぜ『かけている』で済んでいるのかは暴力沙汰になる前に僕が小谷くんを止めに入っているからだ。そのせいでいつの間にか僕が小谷くんのお守りと周囲の人間に周知され始めている。中々頭を抱えたくなることになっているが後悔してもすでに遅く、小谷くんの手綱を離してなにか事件を起こしたりでもしたら今までの苦労が台なしになる…それはそれで嫌だ。
「小谷が中間テストで出席するように面倒を見てくれんか?」
「分かりました」
断られると思っていた担任はまさかこんなにあっさり引き受けた僕にたじろぐ。
「小谷のこと押し付けてすまん」
「いえ…」
正直、担任の判断は至極真っ当だと思っていた。担任だって180℃違うであろう家庭環境で育った生徒の感情の機微を察しろと言うのは無理難題だろう。
「遥ちゃん、お疲れ」
「あぁ…お疲れ」
俺は小谷くんの後ろの席に座る。小谷くんは次の時間の準備する僕を見てニィ…と笑った。
「センセーから俺の中間テストの面倒を見るように言われた」
「言われたけど」
見方によっては開き直ったように見える僕の態度に小谷くんは顔を手で覆った。
「遥ちゃんは相変わらずクールでやりづらいな」
あまり自分のペースを崩さない僕は小谷にとってそばにいても苦にならない相手であると同時にやりにくい相手でもあるようだ。
「小谷くんなら別に勉強教えなくても、平均くらいは取れますからね」
意外と小谷くんは頭が回る、担任の依頼を安請け合いしたのも、小谷くんを中間テストに受けさえすれば達成できると知っていたからだ。
「中間テスト…ちゃんと受けてください」
「え?ど~しよかな?」
挑発するような口調で僕を煽る小谷くん。
「別に受けたくないなら無理しなくて良いです」
「え~?センセーに頼まれたんじゃないの?」
「?それがなにか?」
「やっぱりやりにくい」
首を傾げた僕に小谷くんは苦笑いをする。担任に頼まれたとはいえ、根気良く小谷くんを説得するほど、優しくはない。
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