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それでも僕は
第12章 12※





「本当に遥ちゃんはドライだな」
小谷くんにこんな態度を取れるのは僕くらいだろう。
「遥ちゃんが俺のこと名前で呼んでくれたらテスト受けようかな~」
ニタニタしながら僕を見ている小谷。それくらいなら歩み寄ろうと思った僕は小谷くんの名前を呼ぼうとした。
「……そういえば小谷の名前ってなんだっけ?」
「遥ちゃん、ヒドイ!!」
小谷くんを名前で呼ぼうとして、小谷の名前を忘れていることに気付く。
「正臣(マサオミ)だよ」
「正臣くん、テスト頑張りましょう」
小谷くん…改めては笑って誤魔化そうとする僕に頬を膨らませる。







「ふぁ…さすが遥ちゃん、頭良い~」
正臣くんは張り出された席次を見て感嘆の声をあげる。ガリガリ勉強しているつもりはないが、習慣的に勉学に励んでいる成果もあって1学期から常に学年トップの維持できている。まぁ平均以上であればバスケの練習はできるし、両親は僕の成績になんて興味はないだろう。
「……それより」
正臣くんのテストの点数が良くて驚愕する。拓正臣くんが珍しくテスト勉強をしているのは知ってたが平均80点以上の好成績を納めるなんて思わなかった。
「……見かけに寄らず頭良いんですべ」
「遥ちゃん、ヒドイ!!」
「ごめん、ごめん…」
思わず正直な本音を口にしてしまったせいで正臣くんが拗ねる。拗ねている正臣くんを宥めていると遠くで言い争う声が聞こえる。
「沢村…テメェ、また赤点取りやがって…」
「いだだだ…すいません、すいません…次のテスト頑張りますんで許してください!!」
東雲先輩が赤点を取った沢村くんをお仕置きする。東雲先輩と南先輩と一緒にいるのを良く見かける男は荒れ狂う東雲先輩からこっそり逃げ出そうとする。
「八木…テメェもまたとんでもなくとんでもない点数を取りやがって!!」
「あいだだだ…ごめんなさい!!ごめんなさい!!許してください律ちゃん」
とんでもなくとんでもない点数ってなんだろう?僕は気になって沢村くんと八木先輩の名前を探す。
「うっ…」
これはヒドイ…沢村くんも八木先輩も最下位と大差ない点数だった、しかも全部赤点…これは東雲先輩が荒れ狂うのも無理はない。僕は青ざめながら拓に視線を向ける。
「……正臣くん…君は、実は天才だったりします?」
「きゅ、急にどうしたの遥ちゃん!?」
急に褒め始めた僕に正臣くんは面食らう。

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