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それでも僕は
第13章 13★






「もうそろそろ卒業か…」
「その前に宏は受験があるだろう」
「それは言わないで!!」
しみじみと感慨に耽る宏の揚げ足を取る律。このふたりは本当に仲が良い。
「優馬も律も別々学校行くって思うと寂しいな」
「俺は宏の面倒を見ないで済むと思うとほっとするけど?」
「まあまあ、宏も2年から頑張っていたから…」
口をへの字に曲げて閉口した宏。相変わらず宏に手厳しい律に俺は苦笑する。俺は険悪になりかけるふたりの間に入って、ふたりを宥めた。こういういつもやり取りも、もうすぐできなくなるのかと思うと、確かに宏の言う通り名残惜しい気がする。この3年間、本当に充実していたな…と実感する。





「じゃあ、俺は帰るね」
放課後、受験勉強で残る宏とそれに付き合う律…やっぱりふたりは仲が良いなと思いながら俺は教室を出た。俺はそのまま、ケイの入院している病院に向かった。
「ケイ…体調はどうだ?」
「ゆう!!来てくれたんだ?」
ケイのいる病室に入るとケイが笑顔で出迎えた。3日前に発作で倒れたケイは今も入院している。来週には退院できるとはいえ、色々不安だった。
「体調は大分良くなったから大丈夫」
「……ケイの大丈夫は信用しないよ」
4日前にも同じこと聞いて翌日倒れたケイ、少しは自分の身体を最優先にしてほしい。
「ゆう…その紙袋は…?」
ケイは俺の持っている大きな紙袋に気付く。
「これは今日もらったチョコだよ」
「へぇ…そんなんだ?ゆうってモテるもんね」
顔を青くするケイに、俺は失敗したな…と悔やんだ。恋人が大量のチョコをもらっているのは見たくなんかないはずだのに、入院しているケイが心配で心配で、つい学校から直接病院に来てしまった。それに…。
「ケイ…」
俺は顔を青くしているケイの額にキスをして肩に腕を回す、もう片方の手でかばんをあけ、包みをケイに渡す。
「…これは」
「チョコ…作ったけど、食べてくれる」
ケイにチョコを渡したくて、昨日作った。好きな人にチョコを渡すのがこんなに勇気が必要だったなんて…。俺は恐る恐るケイの反応をうかがう。
「ゆう…ありがとう」
ケイは嬉しそうに俺の作ったチョコを見ていた。俺はほっと胸を撫で降ろす。
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