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それでも僕は
第8章 8☆


「はあ…どうしよう…」
「俺が教えてあげようか?」
俺が課題を見てため息を吐くと皿とコップを洗ってきた南さんが声をかけてきた。
「…ダメ?」
「ううん、ありがとう」
また南さんに迷惑をかけてしまうことが悔しい。俺と南さんは恋人同士になれたかもしれないけど、対等な立場にはほど遠い。
「…ところで」
南さんは俺の顔を真っ正面か覗き込む。
「……さっきの人達とずいぶん仲良さそうだったね?」
「…う、うん?」
「伊藤さんは前にも彩木くんのお見舞いに来ていたよね?」
なんか浮気を疑われているみたいで居心地が悪い。
「妬けちゃうな~」
「み、南さんって嫉妬したりするんだ?」
「当然だろう?」
真っ正面から言い返され俺は言葉を失う。
「…俺、ショックだったんだぞ、彩木くんに彼女がいるかもしれないって知った時…それで気まずくなって会いに来れなくなったし」
先日…俺が重い発作を起こすまで、南さんは1ヶ月くらいに俺のお見舞いに来なかったけど、その理由がまさか嫉妬だったなんて…。正直俺のことを重荷に感じているからだと思っていた俺は驚きを隠せない。
「あ、あやめちゃんや亨くんはあくまで友達だから」
南さんはまだ納得できないのか、ねっとりした視線を俺に向けた。
「そうだ、せっかくだし、俺のこと名前で呼んでよ」
「え?」
南さんは俺の手を握る、恋人同士になって以前と違い甘えてくる南さんに俺は戸惑いを隠せない。一方で素直に甘えてくる南さんに俺は底知れない喜びを感じた。南さんも俺に甘えたい…その期待に応えたい。
「お、俺も…」
「ん?」
「ゆうに名前で呼んでほしい」
ゆうは一瞬目を瞠ったがすぐに蕩けるような甘い笑みを浮かべた。
「分かったよ、ケイ」
ゆうの身体の芯まで響く甘い声で名前を呼ばれ、腰が抜けそうになる。
「ケイ…キスして良い?」
「う、うん」
ゆうは俺の耳元で囁くようにキスの許可を求める、名前で呼ぶせいで破壊力が凄まじい。ゆうは俺が目を瞑るとそっとキスをした。俺の手を握るゆうの手に少しだけ力が入る。ゆうも緊張しているんだと俺は察した。付き合って当初から抱いていた胸のモヤモヤ晴れ、幸せな気持ちが胸一杯に広がる。
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