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それでも僕は
第9章 9★







「…あー本当に大会終わったら2週間後にテストだ」
律はスマホでスケジュールを確認して顔をしかめる。
「律は普段から真面目に勉強しているから大丈夫だろう」
俺はケイからのメールを確認して、制服に着替える。
「優馬は期末テスト大丈夫なのか?」
「数学が苦手だけど、優斗に教えてもらうから大丈夫?」
良い大学を卒業しただけあって優斗は頭も良く、教え方も上手い。
「優斗?」
「叔父さん…俺、事故で両親亡くなってからずっと面倒見てもらっている」
俺の説明を聞いて律は目を細める。俺と律は制服に着替え、学校を出る。
「…せっかくだし、途中まで一緒に行こう」
いつもは校門前で律と別れるが、今日はなぜか途中まで一緒に帰ろうと言い出した。特に断る理由もないので俺は短く頷いた。




「悪い、待たせたな…」
「別に良いよ」
お腹が空いたと言って律はコンビニで軽食のチキンを買って戻って来た。
「ほら…」
「ありがとう」
律からチキンを受け取る。ちょうどお腹が減っていた俺はチキンをありがたく食べる。
「…え?なに?」
律がチキンを食べている俺をじーっと見ていることに気付く。律は別に…と呟く。俺は唇に付いた油を指で拭う。
「優馬って、なんかエロいよな」
「…何か言った?」
「……何でもない」
律がなにか言った気がするが小さくて聞き逃した俺は思わず律に聞き返すが律はバツが悪そうに俺から顔を逸らした。
「優馬は辛くないのか?両親いないのに勉強とか、部活とか頑張るの…」
「それは…」
律の問い掛けに俺は視線を空に向け、目を閉じるとケイの顔が浮かんでくる。
「…それでも俺を支えてくれる人いるから…」
ケイや優斗が居なかったら立ち直るのにかなりの時間が必要だっただろう。けど、ケイや優斗が支えてくれたおかげで俺は俺のままでいられる。
「…そうか」
「?…どうしたんだよ、律…さっきからなんか変だけど」
何でもないと手を振って歩き出す律、俺と律は普段通り触り当たりのない会話を続ける。いつも会話だが、俺は律に違和感を拭えなかった。
「じゃあ、僕はこっちだから」
「また明日な、律」
「あぁ…」
律と別れ、マンションに向かって歩く。律の様子がいつもと違った、何か彼の気に障ることしたか?と記憶を辿るが、いくら思い返しても心当たりがない。
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