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セックス講座
第1章 初講義
「初講義は参加自由だから、とにかく行ってみれば?」
友人からそう勧められ、めぐみは、その気になった。
しかしめぐみが付き添いできてくれみたいな感じで彼女を見やると、両手首を交叉させ
「NO!」
と反応されてしまった。
ちなみに、その友人には彼氏がいる。

講義の場所は、学内の片隅の目立たない場所にある、目立たない建物の、目立たない端にある目立たない教室。
こんな講座を受ける、あるいは興味のある学生は、よほど性に飢えているわけで、そういうことに配慮したらしい。

建物のエントランス付近には、人影がほとんど、ない。
めぐみは、そこに恐る恐る入っていった。
3階建ての建物の、3階の端に、その教室はあった。
<セックス講座 定員100名>
と入口にあからさまに掲示されている。
めぐみは、そおーっと教室内をのぞいてみた。
「え?」
中は、めぐみの予想とはだいぶ違っていた。
さぞや、女子とセックスしたくてたまらないブ男たちが群れを成していると思っていたら、教室内にはすでに定員ギリギリくらいの人間が着席していた。その人間の実に、98.9%が女子だった。

『うわあ…、美女ばっかり…』
その女子たちの美形だらけの顔、顔、顔に驚きながら(おまえも、その美形の一人じゃないか?)めぐみは、教室内で空いている席…最前列の席に腰かけた。

からーん、からーん、からーん、からーん
外で鐘を鳴らす音が、した。講義が、始まる。
めぐみの心臓が、バクバク。めぐみのすぐ横に、この教室で唯一の男子学生が座っていることにも気づかない。

<ただいまから、今年度のセックス講座の第1回講義を、始めます>
突然前のほうから聞こえてきたのは、明らかにAI音声。
<目の前のタブレットを、ご覧ください>
机にタブレットが組み込まれていて、その電源が自動でオンされ、画面が輝いた。
<その画面の氏名欄に、学籍番号と名前を入力してください。これをもって、出席とします>
<入力を終えたら、表示された質問に答えてください>
めぐみが見ると、そこには
「あなたは、異性とセックスがしたいですか?YES NO」
とあった。
めぐみは、心臓をどきどきさせ、脂汗で濡れた人差し指を、そっとYESに触れさせた。

<YESと回答したひとは、右または左を見てください。そこにいる異性が、あなたの今日のセックスパートナーです>
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