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セックス講座
第1章 初講義
次の瞬間、めぐみの背後から席を立つような大きな音と、ひそひそと話す女子たちの声が、さざ波のように折り重なって聞こえてきた。
何が起こったのかとめぐみはきょとんとしていたが、やがて背後から音がしなくなり、女子たちの話す声もしなくなった。
めぐみは、ようやく、その教室にひとり、取り残されたことを感じた。

『おかしいな?AI音声からは、何も指示されてないと思うけど…』
教室の外の廊下に、教室から出ていった女子学生たちが群れているのが、見えた。その女子学生たちは、教室内のめぐみに視線を投げかけてくる。いや、その視線の半分くらいは、なにやらめぐみの左横辺りに行っていたが。

<そのパートナーと、5分以内に手をつないで、画面にタッチしてください。もし手をつながないときは、この講義はそこで終了とします>
AIがおかしなことを指示してくるので、めぐみは戸惑った。
するとそのとき、左横から男子の声が聞こえた。
「きみ…、名前は?」
「え?」
と左横を見ると。
そこには、同年代か、少し上くらいの男子学生が、席についてめぐみのほうをじっと見ていた。

「あ…、わたし、めぐみ、です」
「そう。僕は、シゲル」
「あ…、はい」
「1年生?」
「はい、そうです」
「僕は、2年生」
シゲルと名乗った男子学生は、真面目そうな感じの、あまり浮ついていない落ち着いたようすの、ただあまりイケメンではなく、かといってブ男でもない、普通の一般的なタイプだった。

「めぐみちゃん…、僕と、セックスしたい?」
「…えっ!?」
その真面目な印象のある顔の口から、突然、そんな下品な言葉が出てくるとは思わなかったので、めぐみはひどく驚いた。
「うーん。セックスというと、ちょっと語弊があるね。そうだな…、めぐみちゃん、僕とすっ裸同士で抱き合いたい?」
シゲルのスケベな言葉の連発に、めぐみは1度目とは違い少し慣れた感じで耳で受け止めると、カーッとその処女のカラダを熱くした。
『セックス…。すっ裸同士の抱き合い…。そりゃ、したい…、興味めちゃくちゃあってしたいけど、いま会ったばかりのあなた…シゲル先輩としたいかっていうと…。う~~~ん…』

「僕は」
シゲルが、言った。
「僕は、めぐみちゃんとすっ裸同士で抱き合いたい。セックスがしたい」
そういうと、シゲルはめぐみの左手をあっという間に握ってきた。
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