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籠の中の天使
第9章 告白
ありがとう…。
向井さんとなら友達になれそうな気がする。
ああ、私が友達だと向井さんの方が迷惑かな?
私って…。
本当にダメな人間だ。
諦めに似た感覚の中を堕ちてく。
「しっかりしろっ!」
南斗の声がする。
反射的に目を見開いて見ちゃう。
「ちゃんと聞こえてるな。なら、次は息をする事に集中しろ。ゆっくりといつものように落ち着いて…。」
頭が混乱した私の身体は呼吸すら忘れてたらしい。
南斗に言われるがまま鼻からゆっくりと吸って口からゆっくりと吐くを繰り返す。
「立てるか?」
南斗はそう聞いて来るけど、まだ私の意識はぼんやりとしてる。
「先生、俺が咲都子を運びます。」
峯岸君の声がした。
「触るなっ!誰も相原には触るなっ!」
こんなに興奮してる南斗を初めて見た。
「持田先生…。」
私からは見えないけど千紗先生の声もする。
「相原を病院に連れて行きます。」
そう言って南斗が私を抱き上げる。
いつもなら南斗の抱っこが嬉しくて南斗にしがみつくのに…。
今日の私は手に力が入らなくてお人形みたいに抱かれてる。
頑張ったよ…。
私は一人でも頑張ったよ…。
南斗に言いたい言葉は伝わらない。
時間の感覚すら失い、私は前のように自分の意識すら保てなくなり深い眠りに落ちた。
目が覚めて、一番始めに見た顔は凄く怒った表情で私を見る北斗さんの顔だった。
「北斗さん…。」
「わかってる。本当は今の咲都子ちゃんを叱るべきじゃないと思ってる。だけど俺は南斗と咲都子ちゃんの兄として、猛烈に腹が立ってるんだよ。」
「ごめんなさい…。」
2日間、眠ったままの私だったらしい。
今は持田病院に再入院という状況で北斗さんが私を叱る。