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籠の中の天使
第2章 苦しみと光…



あの地獄を経験し、心を閉ざしてしまった私には普通に話が出来る状況じゃない。

北斗さんの学生時代の友人だからと信頼して依頼をお願いした弁護士さんからは


『残念ながら咲都子さんはあの街で生まれ育って来た子だという事もあり、咲都子さんがお金さえ払えばと言った可能性を完全に否定する事が難しい。』


とあの街の子は訴えを起こしたところで勝てる見込みなんかないのだと結論を出されてまう。

あんな街で育った子なのだからと充分に傷付いた私が更なる攻撃を受ける事にもなりかねない。

それどころか、街の存続の危機にも晒される問題へとなり得る。

本来は国が定めた法律で禁止されている売春行為を今でも堂々と行ってる街…。

歴史ある妓楼は現代という社会の中で生き残る為に、あくまでも普通の料亭として登録され料理とお酒を提供した代金しか貰ってないとシラを切る。

もしもお店の女の子がお客さんを取ってる生々しい現場に警察が踏み込んだとしても『これは自由恋愛である。』と言い張って売春行為そのものを否定する。

街にはしっかりと料理組合が存在し、暗黙のルールの中で現代の売春法という法律からすり抜けて逃れた唯一の街としての独自の文化とルールを築き今も昔と変わらぬ姿で存在し続ける。

従って、私の事件が原因となり街の本当の姿が一般世間に晒されてしまえば、現代の売春法に基づき街自体が行政から潰されるかもしれないと大人達は誰もが怯えてる。

私はもうあの街から出られない。

あの街でひっそりと受け継がれる文化を守って生きていくしかない子なのだと、あの街が私に突き付けた瞬間だった。


「しばらくは俺と暮らそう。」


南斗がそう呟いた。

どう答えていいのか、わからなかった。

家には帰りたくない。

かと言って、いつまでも入院してはいられない。

私に退院を促す南斗は街の外側にマンションを借りた。


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