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籠の中の天使
第13章 夢の中へ
入口のゲートからお土産を買うショッピングモールが見えるけど、そこはどうやら閉まってる。
「お店…、開いてないんだ。」
「2時間しか借りらんなかったからな。丸1日を借りる時なら開いてる。」
「準備って、そういう意味?」
「今日はいきなり過ぎたからな。ほら、時間が無いから急ぐぞ。」
ノアが中央に向かって歩き出す。
魔導王国には2つのエリアと2つのお城がある。
白い魔法使いのお城と黒い魔法使いのお城…。
今日は2時間だけだから派手なアトラクションには乗れないけど、小さなアトラクションならどれで遊んでも良いとノアが言う。
妖精の一人が私とノアを手招きする。
「なんだろ?」
妖精に近付くとフワリと魔法使いのマントが私に掛けられる。
そして魔法使いの帽子と杖…。
本当ならお土産用のお店で買う魔法使いグッズだ。
お店が閉まっててもノアには関係が無い。
ノアが使う魔法にどんどんハマってく。
2人でリアルに魔法が使える事で有名なアトラクションに入る。
ホウキの形をした乗り物に乗って襲って来る悪い妖精を持ってる杖で魔法を使い退治するというアトラクション…。
最新のプロジェクションマッピングによって繰り出される映像はとてもリアルで、3Dになる黒く醜い妖精が次々と私とノアに向かって飛びかかって来る。
「キャーッ…、やだぁーっ!」
「こら、咲都子、ちゃんと倒せよ。」
妖精に杖を向けるだけで勝手に杖から魔法の様な光が出て、妖精を倒してくれるだけのアトラクションなのにホウキが揺れて私には難しいと思う。
『これで魔導王国が平和になりました。ありがとう咲都子。ありがとう玲夜…。』
そんなアナウンスでアトラクションが終わる。