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籠の中の天使
第13章 夢の中へ
ノアがゲラゲラと笑い出す。
「何?」
「咲都子は何もしてないじゃん。」
「ちゃんと倒したもん。」
「本当かどうかすぐにわかる。」
出口にある機械の画面に私とノアの名前が点滅してる。
その点滅を押すと1枚の紙が印刷されて出て来る。
成績表と書かれた紙に私が倒した妖精の数と魔法成績が載ってる。
「咲都子の成績は?」
ランクSの成績表を見せびらかすノアが私の顔を覗き込む。
私の成績はFマイナス…。
「2匹は倒したもん。」
「適当に振り回したのが当たっただけだろ?」
「ノアの意地悪っ!」
叫ぶ私をノアがそっと抱き締める。
いきなり過ぎて緊張しちゃう。
そっとノアの唇が私の頬に触れる。
「ごめんな。もっと遊びたいけど時間がねえや。」
そう囁いたノアは私を連れて白いお城に向けて歩き出す。
お城の前に広がる広場…。
そこもプロジェクションマッピングによる技術で一面にピンク色のお花畑が広がってる。
「素敵…。」
お花畑の真ん中にテーブルが一つだけある。
「こちらへどうぞ…。」
と手招きする妖精が私を椅子に座らせる。
ノアと向かい合わせに座ればテーブルへ本格的なフレンチのコース料理が運ばれて来る。
「こんなご飯…、初めて…。」
ナイフとフォークの使い方なんか知らない。
「適当に食えばいいんだよ。」
ノアは慣れた手付きで運ばれて来るお料理を次々と平らげる。
「ねえ、ノアって…。」
何者なの?
そう聞こうとした瞬間、お城の周りではプロジェクションマッピングで描かれた花火が光り出す。
花火に彩られる美しいお城が見えるお花畑での一時…。
まさに夢そのもの世界に目が奪われる。
「気に入ったか?」
固まった私をノアが現実に引き戻す。