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籠の中の天使
第14章 同情



ノアが見せてくれた夢から3日以上が過ぎた。

相変わらずの私は部屋に引き篭ったまま…。

1日中、変わらない喘ぎ声を聞き続けると感覚が麻痺して気にもならなくなる。

こうやって慣れていく。

ここは最後の遊郭…。

諦める事に慣れてしまった女が生きる街…。

ぼんやりとしてる私に誰かが声を掛けて来る。


「…都…。」


これは、いつもの幻聴…。

頭がおかしな子が見る夢の続き…。


「咲都子っ!」


今度ははっきりと聞こえる。

目を見開いた私の視界に南斗の鼻だけが入って来てるという至近距離に怯えて後退る。


「咲都子…。」


南斗が私の顔を撫でる。


「な…にしに…来たの?」


今更、私に何を求めるの?

私はもう覚悟を決めたのに…。

噛み締める唇からは、また鉄の味がする。


「咲都子…、大丈夫…、大丈夫だよ。俺がちゃんとわかるか?」


そう言う南斗が私の頬に恐る恐ると触れて来る。

わかるに決まってる。

ずっと私の傍に居てくれた人…。

世界中の誰よりも愛してる。

そして世界中の誰よりも憎い人…。


「触らないで…。」


自分でも怖いくらいに冷たい声が出る。

傷付いた表情をする南斗に胸が抉られたように痛み出す。


「北斗が心配してる。とりあえず…、病院に行こう。」


南斗の手が震えてるのが見える。


「病院になんか行かないっ!」

「咲都子…、落ち着け…。」

「充分に落ち着いてます。だから私にはもう構わないでっ!」

「塚本の事なら誤解だ。とにかく、今は俺と病院に行こう。」

「誤解なんかしてないっ!放っといてって言ってるの。」


喚き散らす私を南斗が震えた手で強引に抱き締める。


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