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籠の中の天使
第15章 不思議な味
「コンビニに売ってるチキンをプロテインドリンクで流し込めば誰でもこーゆー身体になれる。」
腕を曲げてノアが力こぶを見せつける。
「ノアって…、脳筋?」
「一応、人並みの勉強くらい出来る。」
「数学とか出来なさそう。」
「統計学ってやつは嫌いだな。咲都子は大学に行きたいとか思うのか?」
改めて聞かれると返事に困る。
「やっぱり、大学って行くべき?」
現役大学生のノアに大学ってどんな場所なのかを聞いてみる。
「やりたい事によると思う。俺はアメフトがやりたくて大学に入ったけど、アメフトが出来なくなった今は辞めてもいいかもとか考えてる。」
「辞めたら、どうするの?」
「それを考え中だって言ったろ。」
私は何がしたいのかを先ずは考えるべきだとノアが言う。
何がしたいのかと聞かれても私の答えはまだ出ない。
「それより、腹減った。」
海老だけをバラバラにしたノアが叫ぶ。
「海老以外の食材はないの?」
「セロリならある。」
「玉ねぎは?」
「ない。人参がある。後は冷凍されたキノコだな。」
「キノコって冷凍するの?」
「香りが飛ばないように冷凍するのが普通だろ。」
ノアが冷凍庫から取り出した木箱の中には私が知らないキノコが色々と入ってる。
「これが白トリュフ、黄シメジ、こっちはマッシュルームか。」
「マッシュルームって白いよね?」
「ブラウンもあるんだよ。」
「ノアってお料理しないのに詳しいね。」
「一応、これでもアスリートだったからな。栄養とかは知識として知ってるぞ。」
「んじゃ、セロリとマッシュルームも使ってみよう。」
初めての食材ばかりでノアとオムライスを作る。