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籠の中の天使
第16章 罪な事
幾らランジェリーショップの試着室とはいえ、下着だけの姿にされるのは抵抗を感じちゃう。
「あの…。」
「この下着に着替えて…。」
満面の笑みを浮かべる沙来さんが私の手にハンガーに掛かったままのブラジャーとパンティーを押し付ける。
「ここでですか!?」
「そうよ?ここはランジェリーショップだもの。」
平然と答えた沙来さんが試着室から出て行くとホッと小さなため息が出る。
嘘を見抜く人だから怖いと言ってたノアの気持ちがわかる気がして落ち着かない気分になる。
とはいえ今の私は下着姿のままであり、このランジェリーショップから逃げ出す事は不可能だ。
諦めて沙来さんが選んだ下着に着替える事にする。
「可愛い…。」
鏡に映る下着を見て、そんな言葉が漏れ出る。
ただの白い下着なのにレースのフリルがたっぷりとあしらわれてるブラジャーとパンティーは水着のようにお洒落で可愛らしい。
「ありがとう…。」
そう答えが返って来るからドキリとして振り返る。
沙来さんがさっき市原さんから受け取ったばかりの紙袋を持って試着室へ帰って来てる。
「えっと…。」
「それはね、見せる下着じゃないけど、見られても困らない下着なの。気に入って貰えた?」
「はい、こんな可愛い下着は初めてです。」
「初めは見せる下着を用意するつもりだったけど、玲夜が女性に下着を買うとか10年早いと思ったから止めにした。その代わりに見られても困らない下着を用意するわ。」
「見せる下着と見られても困らない下着の違いってなんですか?」
「見せる下着だと…、こんな感じ…。」
ニタリと笑う沙来さんがビロンと両手で広げたパンティーに思わず悲鳴を上げそうになって口元を手で押さえる。