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籠の中の天使
第19章 羽ばたく瞬間



「時間だ。」


私の手を取りノアがまだ見ぬ世界へと連れ出してくれる。

撮影は10時からだ。

2時間程で終わると穂奈美さんからは聞いている。

その撮影をする為のスタジオへノアと向かう。


「来たわね…。」


一番始めに私を出迎えてくれたのは千鶴さんだった。


「千鶴さん?」

「私が教えた事はちゃんと守ってるみたいね。もしも、今日の撮影にスッピンで現れたりしたら咲都子のメイクだけ断わってやろうと思ってたのよ。」

「私はちゃんと出来てますか?」

「完璧とは言わないわよ。今から咲都子を完璧にするのが私の仕事なのだから…。」


今日のメイクの担当は千鶴さんだ。

今回は冬の特別版扱いで発売される雑誌だからと穂奈美さんが信頼する人ばかりがスタッフとして集められたのだと千鶴さんが言う。


「特別版…。」


聞いてはいたけど、そこまでレベルが高い撮影だとは思ってもみなかった。


「咲都子ちゃん、こっち…。」


他のモデルさんの衣装の説明をしながら穂奈美さんが私を呼ぶ。

足が鉛のように重く感じる。


「頑張って来い。」


ノアは私の背中を叩くとスタジオの隅へと移動する。

穂奈美さんが居る場所までがとても遠い。


「紹介するわね。ティーンを担当する咲都子ちゃん、こっちの2人がレディースの担当をしてくれる…。」


モデル同士を紹介する穂奈美さんの声が耳に入らない。

空気が重く圧迫され、目に映るもの全てが歪んで見える。

人形のように動かなくなった私の着替えを穂奈美さんやアシスタントの人が行い、千鶴さんがメイクや髪のセットを行う。


「咲都子…、アンタ、大丈夫なの?」


千鶴さんの心配そうな声がするのに、私は頷くだけで精一杯で乾き切った喉からは声が出ない。


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