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籠の中の天使
第19章 羽ばたく瞬間



もう撮影は私だけだ。

足はしっかりと地面を踏み締め、スタジオ内の景色はしっかりと見えている。


「今度は…大丈夫?」


さっきの男の人の声がする。

その声の方へと振り向けばカメラを私に向けてる男の人が居る。

何も返事をせずに笑顔だけをカメラに向ける。

身体が軽くて足が地面を軽く蹴る。


翔べる。


この世界じゃ、私はちっぽけな存在かもしれない。

それでも自分の足でちゃんと翔べると確信する。


「いいよ…、そのまま少し動いて…。」


カメラマンさんの指示に従い身体を揺らす。

穂奈美さんが私の為に選んだ冬用のコートは袖が大きく広がり、大きなポケットが付いたセミロングコート…。

そのポケットに軽く手を入れて腕を広げてスキップする。


「いいね。まだ高校生だっけ?好きな人とか居るの?その人の事を考えて少しはにかんで笑える?」


カメラマンさんの言葉に頬が熱くなる。

好きな人…。

南斗を思い出すと辛くなる。

ノアだとノアの方が迷惑かも?

だったら…。

カメラマンさんの後ろに控えて、私を真っ直ぐに見つめている暖かい視線に向けて照れた笑顔を返す。


「うんうん、その笑顔…。可愛く撮れてるよ。」


カメラマンさんがご機嫌でシャッターを切り続ける。

私はそのカメラマンさんの後ろに居る穂奈美さんへと感謝の気持ちを笑顔に替えて捧げる。

貴女が私を翔ばせてくれた。

貴女が私の神だから…。


「次の衣装に着替えて撮影を続けるわよ。」


神である穂奈美さんの指示でスタッフさんが次の衣装を用意する。

雑誌で使う写真がある程度決まれば、次の服の撮影になる。

モデル1人につき3着分のアイテムがある。

次の衣装に着替えればその度に千鶴さんがメイクを変えて私をスクリーンの前に送り出してくれる。


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