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籠の中の天使
第3章 学校嫌い



こんなものは食べたくないと思う私はキッチンの上にある小さな戸棚からカップラーメンを取り出してお湯を注ぐ。

家に帰って来る時はコンビニのお弁当かカップラーメンという、いい加減な高校生活を送ってる。

だってお母さんは私のご飯を作ってる時間なんかないもの。

侘しい食事を済ませたら台所の奥にある後付けのシャワー室でシャワーを浴びる。

これが私のお風呂…。

昔はこの家にお風呂なんかなかった。

3歳くらいまで南斗と近所のお風呂屋さんに通ってた覚えがある。

お店にはシャワーすらなく、女の子達はお客さんとの情事の後にトイレのビデでアソコを洗う。

ビデすらなかった時代は洗面所で洗ってたと聞いた。

一人が立ったまま入るだけで精一杯の狭い空間でシャワーを済ませた私はTシャツにタンパン姿で自分の部屋に引き篭る。

お父さんはまだ組合に居て帰って来ない。

私はお父さん達の寝室の奥にある物置の様な部屋で黴臭い布団に入り目を閉じて耳を塞ぐ。

私のすぐ上の部屋から漏れて聞こえる音楽…。

お客さんが居るとすぐにわかる。

この音楽が聞こえる間は私の部屋の上でうちのお店の女の子がお客さんである男の人と事を成してる最中という意味になる。

もう、知ってる。

女の子がどんな風にお客さんからお金を貰ってるのか…。

仲介人は先ず女の子をお客さんに選ばせる。

それから時間を決める。

15分か30分か…。

1時間以上を選ぶお客さんなんか居ない。

そして2階へ上がり女の子と小さなテーブルがある和室に入る。

和室の扉である襖は閉めない。

その代わりに扉には目隠しになるカーテンが掛けてある。

そして音楽を鳴らし、お客さんの前には形だけの飲み物や食事が運ばれる。


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