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籠の中の天使
第21章 繋がり
「違う…。」
「何が違う?咲都子は俺を受け入れる事に迷ってる。」
「違うよっ!」
伝わらない気持ちが爆発する。
「咲都子…。」
「南斗が好きなの、でも南斗が迷うから怖いの。南斗が居なくなれば私はまたおかしくなる。」
ノアを失っても、そこまで傷付きはしない。
私を傷付けるのは、あの街ではなく南斗だ。
南斗以外の人が嫌いだった。
両親ですら受け入れられなくなった私を傷付ける事が出来るのは南斗だけだと初めて理解する。
南斗と離れれば私は傷付く事なく、普通で居られる。
それでも南斗から引き離されるのだけは嫌だと心が叫んでる。
「だから…、南斗が責任を取ってよ。」
私の我儘を南斗が穏やかに笑う。
「咲都子が生まれた日から俺は咲都子の傍に居てやると決めてた。世界中から反対されても俺は咲都子から離れたりしないよ。だって咲都子は俺の天使だから…。」
それが南斗の我儘だと南斗が言う。
憧れだけだったドラマの様な恋は出来ないと思う。
それでもノアのお爺様と同じように私を愛してくれると南斗が約束をしてくれる。
だから私は天使のままで居られると感じる。
「さてと…、いつまでも格好なんか付けてられると思わないから、咲都子には先に言っておく。」
突然、南斗が保健医の顔になる。
「何…?」
「咲都子も知ってると思うが俺はノア君のように女に慣れてる訳じゃない。」
それはそうだと思う。
私の短い人生には四六時中南斗が居た。
「という訳で咲都子には、それなりに色々と我慢をして貰う。」
顔を紅くする南斗が頬にキスをして囁く。
「我慢?」
何もわかってない私が居た。