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籠の中の天使
第21章 繋がり
「これって一生、ずっと痛いままなの!?」
泣きながら南斗に叫ぶ。
「人による…、後は咲都子次第だ。」
「私次第?」
「俺だけとなら、その内に慣れて痛くなくなる。」
南斗がニヤニヤとして嫌な笑いを浮かべる。
「もう…、あんまり痛くないかも…。」
「当たり前だ。俺が萎えて抜けたからな。」
「抜けちゃったの!?」
南斗との繋がりは僅かであり、事を達成するどころか激痛だけで虚しく終わる。
私の思いは背伸びをしただけで終わってしまったと凹めば南斗が優しく抱き締める。
「咲都子は焦んなくていいんだよ。うちはさ、母さんがあの街で働いてるけど、父さんや北斗は何かと辛い立場を理解した上で病院をやってるから、俺も、そういう事には何かとうるさく言われて来たんだ。」
産婦人科という立場である持田家は女性を傷付ける事をするなと南斗に言いながらも女性が傷付く妓楼を手放す事はなく、矛盾を感じ続けた南斗は私の扱いに迷うばかりだったらしい。
「馬鹿兄貴が間違いを犯せとか、何も知らない咲都子に吹っ掛けた時は参ったぞ。」
北斗さんが私を煽ったと南斗が口を尖らせる。
「吹っ掛けたって…。」
「あれって俺が咲都子を甘やかし過ぎだから、少しは痛い目を見せろって意味なんだよ。」
「何、それっ!?」
「実際に痛かっただろ?」
間違いなく痛かった。
カウンセラーとして北斗さんは気付いてた。
私が籠娘として心を閉ざすのは、全て南斗が原因だと…。
男と女の繋がりは甘くて気持ちが良いだけの世界じゃないと南斗が私に教えるべきだと北斗さんは判断した。
南斗が居る限り、外へ出ようとしない私を南斗から引き離すべきだと結論を出した北斗さんがノアに私を預けると決めた。