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籠の中の天使
第21章 繋がり



1週間後、新しい学校に居た。

南斗の居ない学校…。

前の学校のように保健室に籠る事が許されない学校で緊張しか感じない。

担任だという先生は男の人で30を過ぎたくらいの人だった。


「相原さんはアイドルとか志望なの?」


教室に向かう廊下で先生が聞いて来る。


「いえ…。」

「ならタレントかな?それとも女優?うちのクラスの半分が劇団とかに所属してるし、5人くらいは既にデビューとかしてるよ。」


気さくに話をしてくれる先生だけど、苦笑いしか返せない。

たった1回のモデルをやっただけの女の子が来て良い学校なのだろうかと迷っちゃう。

ノアが紹介してくれたプロダクションからは契約は少し待って欲しいと言われた。

ノアとは、あの日から連絡が取れてないから、もっぱら千鶴さんとばかり話をしてる。

千鶴さんは


『レイヤの紹介で今更プロダクションが断るとかないわよ。』


と言うけれど、少しでも未来が見えなくなると不安になる。


「転入生だぞーっ!」


教室に入るなり先生が叫ぶから、教室に居た学生の注目を浴びてオドオドしてしまう。


「転入生の相原 咲都子さんだ。席は1番後ろになるけど大丈夫かな?」


先生の質問に


「多分、大丈夫だと思います。」


と小さく答える。


「もしも、前の奴が邪魔で黒板が見えないとかあったら言いなさい。直ぐに席を変えるから…。」


と先生が言う。

このクラスでは欠席者が多い為に席の移動がよくあると説明を受けた。

芸能専用とか言われてても、そういう特別な条件の学生は1クラスだけであり、その半数は割と普通に登校してるらしい。

ただ、前の学校とは違い制服がなく、髪や服装はお洒落だと感じる学生が多い。


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