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籠の中の天使
第21章 繋がり
無事に授業が終わると誰もが割り切ったように我先にと教室を飛び出して行く。
部活がある訳じゃない。
皆んな、ダンスや歌のレッスンに向かう為に急いでる。
夢に向かう学生ばかりの学校だと感じるから、私も負けたくないと頑張れる気がする。
とはいえ、事務所も決定してない私だから急ぐ事がない。
その代わりにある人と駅前のカフェで待ち合わせてる。
「咲都子っ!」
私よりも先にカフェで待ってたのは向井さんだった。
あの日から、向井さんとだけは連絡をしてる。
「新しい学校はどうだった?」
「菊川 三葉さんが居たの。」
「マジ!?サイン欲しいーっ!」
「貰えるか聞いておくね。」
向井さんとはそれなりに話せる関係になった。
「向井さんの方は?」
「相変わらず…、でも無いかな?」
「峯岸君が上地さんと付き合ってるから?」
「それもあるけど、瑠奈が学校を辞めちゃった。」
「杉山さんが?」
「親の都合で転校した事になってるけど…、夏から瑠奈が荒れちゃって、学校が始まってからも問題行動が多かったし…。」
杉山さんが変な男の人達と付き合い出したのが夏だった。
何度も家出を繰り返し、学校が始まっても、その男の人達が迎えに来ると学校から飛び出してしまう行動を繰り返した。
「モッチーに構って欲しかったのはわかるけど…、あそこまで行くと手に負えないって感じになってたよ。」
私までもが学校に来なくなり、一時期はクラス全体が荒れ出したというのに、千紗先生は何もしなかったと向井さんが言う。
「ごめんね…。」
私にも責任があるのかもしれないと思うと辛くて向井さんに謝る事しか出来ない。