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籠の中の天使
第23章 戦い



「果たして本当に父は罪人だったのか?その答えは歴史に記されている通りです。さて本件へと話を進めたいところですが、その前に皆さんの良識を私は問う。」


紅い炎が怒りに震えてるのが伝わって来る。


「今朝、ある週刊誌が当社の契約モデルである少女について報じた内容について、当社としては、是非にこの会見を開くべきだと判断を致しました。」


フラッシュが段々と減り、会場内はお父さんの言葉に集中する。


「何故なら、彼女はまだ未成年であり、彼女には大切にしたい夢や未来のある子です。間違った報道で彼女の未来を歪める事だけは認めてはいけないと我々は考えております。」


私の大切な人の為であり、大切な未来の為の戦いだとお父さんが宣言する。


「今朝の報道について、当社は一部の報道は事実であるという認識はしております。」


お父さんの発言で会場内が一気に爆発したかのように響く。


「それは記事の内容は事実だとした上で少女と契約をしたという意味ですか?」

「その問題の少女の未来とは、この先もモデルとしての活動を認めるおつもりですか?」


待ってましたとばかりに質問が飛ぶ。

司会者の人がマイクを握り


「質問は最後に受け付けます。会見を妨げる様な行為は慎んで頂きたい。」


と同じ言葉を繰り返す。

会場が落ち着くとお父さんが重い口を再び開く。


「私は報道の一部だけを認めると言いました。あの報道で事実なのは少女がそういう街に生まれたという事実だけだ。少女は今、あの街に生まれたというだけで罪を問われ、迫害を受けている。私の父のように少女がこの国を追われるまで追い詰められるのかが、この会見にかかっていると私は考えています。」


お父さんの語気と比例するフラッシュが焚かれる。


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