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籠の中の天使
第4章 診察



南斗は私を溺愛してる。

私も南斗を愛してる。

でも私は学生で南斗は教師…。

それに南斗はあの街から出る事を躊躇ってる。

北斗さんの奥さんが妓楼の女将になったから…。

北斗さんのお母さんのお店で働いてた女の人…。

訳ありの人だった緋彩(ひいろ)さんに北斗さんの方からプロポーズした。

南斗は北斗さんと北斗さんの奥さんにあの街を押し付けて逃げる事を躊躇ってる。

あの街を出られない南斗は私を愛せない。

それでも南斗の身体は私に反応する。

南斗の薄いスウェットのズボンから私の柔らかな太腿に硬いものが当たってる。


「南斗…。」


少しだけ甘えた声を出して南斗の硬いものを太腿に擦り付ける。


「咲都子…、俺をからかうな…。」


怒った声…。


「からかってないよ。私は南斗が好きだもん。」

「わかってる。でも俺は何の力もない。咲都子を救ってやるって言っておいて何もしてやれてない。」


子供のように南斗が私のパジャマの上から胸に顔を埋めて来る。

私は南斗の頭を抱いて、これ以上は南斗を苦しめたくないと思う。


「南斗…。」


名を呼べば南斗が私を見上げる。

そして、その唇に私の唇で触れる。


「咲都子…。」


南斗が私から顔を背ける。

キスは禁止の街の子だもの…。

私に触れる事が出来ない南斗が苦しんでるのがわかる。


「教室に…、行くよ。」

「咲都子…。」

「南斗が好き…、南斗の為なら頑張れる。」

「ごめんな…、咲都子が好きだ。こんな俺でごめんな…。」


顔中に南斗の唇が触れる。

南斗の指先が私の髪や耳に触れる。


「ぁ…。」


南斗の唇が首筋に触れた時、小さな声が出る。


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