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籠の中の天使
第5章 間違ってもいい…



「はーい、班分けが済んだら、先生に報告。」


千紗先生が教室に号令を掛ける。

委員長の峯岸君と上地さんが代表して私達の班のメンバー報告に行ってくれる。


「ね…、修学旅行…、モッチーも来るよね?」


杉山さんはずっと南斗を見てる。

ああ、やっぱり保健室での黄色い声はこの子なんだ。

私とは違う意味で南斗の為に頑張ってる女の子が居る。

私は南斗の為に頑張るって決めたのに、何も出来ずに俯くだけの籠娘のまま…。


「このまま終礼します。」


千紗先生がそう言うから保健室に戻るタイミングを失った。

来週に向けての連絡事項を千紗先生が言う。


「では、今日はここまで…。」


千紗先生の言葉で半数くらいの子が教室から飛び出す。


「相原さん…、大丈夫?」


杉山さんが聞いて来る。

息が出来ない私は答える事すら出来ない。


「相原…、落ち着いて深呼吸…、俺がわかるか?」


いつの間にか寄って来た南斗が私の背中を叩く。


「モッチー…。」


杉山さんが南斗に話し掛けた瞬間


「悪いが、皆んな、相原から離れてくれ…。」


と南斗が重い声で言う。


「でも…、モッチー…。」


心細い声を出す杉山さんに


「瑠奈…、モッチーに言われた通りにしよう。」


と言う上地さんが杉山さんの腕を掴んで私から離れる。


「咲都子…、俺を見て…。そう大丈夫…、ゆっくりと鼻から息を吸って口で吐くだけだ。」


小さな声で南斗が私を励ます。


「な…んと…。」

「今日は兄貴が送ってくれる。頑張って保健室まで行けるか?」


やっと普通に息が出来るようになった私は頷く。


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