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籠の中の天使
第5章 間違ってもいい…



「それ、私の…。」

「緋彩さんが作った弁当だろ?緋彩さんって料理が上手いよな。兄貴が羨ましい。」

「悪かったね。料理が下手で…。」

「咲都子の料理の味は俺が作る料理と同じ味…、だから咲都子が作る飯が一番好きだよ。」


南斗がニヤって笑うとちょっとドキッとしちゃう。


「兄貴、なんか言ってた?」


ご飯を食べながら聞いて来る。


「大人として医者としては言っちゃいけないらしいけど、南斗は間違いをやっていいって…。」

「なんだよ?それ?」

「後は南斗が意気地無しって…。」


そこまで言うと南斗が真っ赤な顔でそっぽを向く。


「どういう意味?南斗…。」

「咲都子は気にすんな…。」

「気になるよ…、南斗、耳まで真っ赤…。」

「いいから先に風呂に入って来い。」


何故かアタフタとする南斗に裏があるのかと疑いたくなる。

南斗と北斗さんは昔っから仲が良かった。

でも兄弟として過ごして来たのは私だって同じはず…。

その兄弟の会話に入れてくれない南斗の態度が気に入らない。


「ねえ、南斗…、南斗の部屋で寝てもいい?」


お風呂に入る前に聞いてみる。

即座に南斗が


「うっ…。」


と声を詰まらせる。


「南斗?」

「好きにしろっ!」


投げ捨てるように言うと南斗がトイレに入った。


なんだろう?

私…。

南斗に嫌われる事をしたの?


不安なままお風呂に入る。

湯船に浸かって考える。

もし南斗に部屋から出て行けとか言われたら死んじゃう。

不安で堪らない。

南斗が好きで堪らない。

北斗さんが痩せ過ぎてるって心配してた。

南斗は痩せた女の子が嫌い?

緋彩さんは健康的で綺麗な人…。

南斗のお母さんのお店でも凄く人気のあるホステスさんだった。


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