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籠の中の天使
第5章 間違ってもいい…



自分達と価値観が違う人を攻撃する人達らしい。

杉山さん達はいつも3人で男子とも仲が良い。

誰でも受け入れるタイプの人達…。

だけど私は杉山さんが苦手だ。

優しくしてくれるけど、南斗に対する質問が多い。

その日も放課後に杉山さん達が保健室に来る。


「ねえ、モッチー…、たまには咲都と一緒に帰っていい?」


私に会いに来たと言うけど杉山さんは南斗と話す。


「相原が行きたいと思うならな。」


南斗は仕事中だから、杉山さんに背を向けて話す。


「咲都も行こうよ?学校の近くに新しいカフェが出来たんだ。」


上地さんが私を誘う。

いつの間にか咲都と省略で呼び捨てにされいる。


「あんまり強引に誘うと引かれるよ。」


少し大人びててクスクスと笑うのは向井さん…。

茂って呼ばれてた男の子の彼女だと聞いた。


「引かれるの?」


不安気に上地さんが私を見る。

どう答えていいかわからない私は俯く。


「咲都子からすれば、私らはまだ知らない人とそんなに変わらないんだよ。少しは慣れたけど、信用がないから怖いって思う部分もいっぱいあるんだと思う。」


少し冷たい口調で向井さんが言う。


「じゃ、咲都とモッチーとは古い知り合いって事?」


杉山さんが南斗に質問を投げ掛ける。

あの街の事は秘密…。


「相原は俺の兄貴の患者だからな。俺が保健医をやってる学校なら相原の体調が悪い時は兄貴にすぐ連絡が出来るだろ。」


南斗はやっぱり杉山さんを見ずに答える。

私は北斗さんの紹介でこの学校に来た事になってる。

南斗とはどんどんと距離が空く。

この距離を縮める方法がわからない。


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