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虐め~差し出した妹が帰って来ない
第1章 秋月 健人編

場所とかは後でメールするから、よろしく…妹の分かったの言葉で電話を切った。
優吾が手を伸ばして、ボクからスマホを奪い取る。
そして勝手にメールを開き、妹宛のアドレスに
【自慢の妹を友達に紹介したいから、可愛い格好で来て欲しい。サプライズも用意してるから、14時にはみんな集まるからその辺りに来て、よろしく】
目的地のマップを添付
その画面をボクに見せた後、送信ボタンを押した。
【はぁい! お兄ちゃんの友達と会うの楽しみにしてるね!サプライズにワクワク♡ 14時に行くね、迷ったらメルするよ】
と直ぐに胡桃から返信メールが届いた
もう後戻り出来ない状況に暗い顔をしたボクに追い打ちを描けるように優吾が話す。
「取り敢えずスマホは担保に借りたままな?帰りに妹に持たせるから。お前は来れない罰で妹が帰るまで一歩も家を出るなよ?妹に対する言い訳でも考えておけ」
3人は、放心状態のボクを残して…離れていく
止めなきゃ…胡桃を守らないと…頭の中で3人に飛び掛る事を考えてながらも1歩も動けなかった。
視界に3人の姿が消えた後…重い足を動かして駅に向かった。
どうやって帰ったかも覚えていない、気が付けば家に辿り着き…慌てて胡桃の姿を探したけど、家の中は無人だった……。
悔しさと惨めさと情けなさ、負の感情が渦巻いて心が軋む
まだ間に合うかもしれない…はっと思い付いて、家電の前に行く
胡桃のスマホに電話しなきゃ…。
受話器を持った手が止まる。
電話したら…優吾達が凄く怒るだろう
秘蔵映像も晒されたり…背筋が寒くなって受話器を置いた。
1階の何時も食事する椅子に座り、胡桃が無事に帰ってくる事を祈った。
時計は14時を過ぎていた。
落ち着かず爪を噛み、貧乏揺すりをし怯えていた。
そして自分の不甲斐なさに涙が溢れてくる。
考える程ネガティブな感情で押しつぶされそうになる。

