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きっかけは十人十色
第22章 嵐の前触れ
俺、今日の占い最下位だったのかな。
さほどチェックもしていない、朝の情報番組の占いコーナーのことを考えながら黙々と歩みを進めて行く。
しばらくして、駅に辿り着いた。
電車が来るのをホームで待つ間、おもむろに携帯を取り出すと、メッセージが来ているのに気がついた。

お疲れさま。
昨日は寝落ちちゃってごめんなさい。
朝送ろうと思ってたんだけど、
バタバタしちゃってて。
仕事、無理はしないように頑張ってね。
―――

受信時間を見ると、どうやら休憩時間に送ってくれたらしい。
12時台ではないということは、午前中忙しかったのだろうか。
想像しながら、ひとりでに口元が緩む。
ふと視線を感じて顔を上げると、二人組の女子高生がひそひそと遠巻きにこちらを見ている。
“怪しい者じゃないですよ〜”と、にっこりと笑顔を向けると、飛び上がるように走り去ってしまった。
……意図が伝わらなかったか。
まぁいいか。詩乃のおかげで少しだけ、もやもや感は晴れた。
さて、会社に戻るか。頭の中を切り替えると、ちょうど到着した電車に乗り込んだ。
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