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きっかけは十人十色
第22章 嵐の前触れ
軽く、咳払いをしてから紹介を始めた。
「先輩、彼女の木山詩乃です。詩乃、こちらは田嶋隼仁さん。俺の三年先輩」
「俺、あの時に名乗ってなかったね。失礼しました。改めまして、田嶋と申します」
名乗りの時に、完璧に営業用のいい声にスイッチしていた。笑顔で印象づけるのも抜かりなく。さすがは先輩だ。
「いえ、櫂がいつもお世話になってます」
詩乃も外向きの笑顔で抜かりがない。
「しかし美人だよね〜」
「先輩、堂々とナンパは止めて下さい」
すかさずシャットアウトした。
「はいはい、冗談だよ。先に二人で帰りな」
ひらひらと手を振ると、先輩は人波を抜けながら地下への階段を下りていった。
「面白い先輩ね。櫂が可愛がられてるのがすごく分かる」
詩乃が、先輩が向かった方を見ながらぽつりと言った。
「うん、まぁ……。いろいろ頼りにはしてる、かな」
「ふふ、いい関係ね。もうちょっとしたら電車来るから、一緒に帰ろ」
そう言って手を引かれて、改札口へと向かった。
「先輩、彼女の木山詩乃です。詩乃、こちらは田嶋隼仁さん。俺の三年先輩」
「俺、あの時に名乗ってなかったね。失礼しました。改めまして、田嶋と申します」
名乗りの時に、完璧に営業用のいい声にスイッチしていた。笑顔で印象づけるのも抜かりなく。さすがは先輩だ。
「いえ、櫂がいつもお世話になってます」
詩乃も外向きの笑顔で抜かりがない。
「しかし美人だよね〜」
「先輩、堂々とナンパは止めて下さい」
すかさずシャットアウトした。
「はいはい、冗談だよ。先に二人で帰りな」
ひらひらと手を振ると、先輩は人波を抜けながら地下への階段を下りていった。
「面白い先輩ね。櫂が可愛がられてるのがすごく分かる」
詩乃が、先輩が向かった方を見ながらぽつりと言った。
「うん、まぁ……。いろいろ頼りにはしてる、かな」
「ふふ、いい関係ね。もうちょっとしたら電車来るから、一緒に帰ろ」
そう言って手を引かれて、改札口へと向かった。