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きっかけは十人十色
第25章 嵐の到来
「何か彼女に対して後ろめたいことでもあるわけ?あー、あの先方の方」
「いや、別に……」
「それなら仕事相手として徹すればいいんじゃないの?いくら関係あったとはいえさ。言い方冷たいけど、今は関係ないじゃん。違うか?」
「違くないです」
「だろ?」
後ろめたいことがあるとしたら、忙しくて放ったらかしにしていたことだ。
別にそれを詫びたいわけではない。そして今さら、浮気を非難する気もない。
「で、平田さんにまた折り返すんだっけ?」
「へ?はい」
田嶋先輩は顎に手を当てて少し宙を見上げた。
「柴崎、手出して」
よく分からないまま、言われたなりに手のひらを上に向けて差し出す。
財布から五百円玉を取り出し、手のひらの真ん中に乗せられた。
手の中のお金と、先輩の顔とを交互に見比べる。
にっこりと口角を上げている。
「微糖のロースト。2本な」
「……了解です」
「戻って来たらいいのあげるから」
「はぁ」
首を傾げながら、隣の商業ビルの一階に入っているコンビニへと向かった。
「いや、別に……」
「それなら仕事相手として徹すればいいんじゃないの?いくら関係あったとはいえさ。言い方冷たいけど、今は関係ないじゃん。違うか?」
「違くないです」
「だろ?」
後ろめたいことがあるとしたら、忙しくて放ったらかしにしていたことだ。
別にそれを詫びたいわけではない。そして今さら、浮気を非難する気もない。
「で、平田さんにまた折り返すんだっけ?」
「へ?はい」
田嶋先輩は顎に手を当てて少し宙を見上げた。
「柴崎、手出して」
よく分からないまま、言われたなりに手のひらを上に向けて差し出す。
財布から五百円玉を取り出し、手のひらの真ん中に乗せられた。
手の中のお金と、先輩の顔とを交互に見比べる。
にっこりと口角を上げている。
「微糖のロースト。2本な」
「……了解です」
「戻って来たらいいのあげるから」
「はぁ」
首を傾げながら、隣の商業ビルの一階に入っているコンビニへと向かった。