この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは十人十色
第26章 ニアミス
ううん、無理しないでね。
落ち着いてからで全然大丈夫
そこまで打って、指が止まった。
――我慢してない?私。
何か、物分かりのいい彼女を演じてるみたいな。
無理しないでって思いも、もちろん嘘じゃない。
ちょっとくらいワガママ言っても……。
でも、困らせるのは違うわよね。
文面をクリアにして、打ち直すことにした。
ほんとは少しだけ期待を込めたんだけど。
そしたら、落ち着いたらね。
仕事、無理しないで頑張って。
あと、お風呂入ったら話したいな。
電話してもいい?
―――
意を決して、送信ボタンをタップした。
すぐさま返事が来る。
今でもいいよ?
「え……」
胸がトクンと音を立てる。
どうしよう、嬉しい。
さっきまで沈んでたくせに、我ながら単純だと思う。
櫂に甘えちゃっていいかな。
でも勿体無いというか、この気持ちにもう少し浸ってたい。
ごめんね、心の準備がまだ……
ちょっぴり嘘をついて、送信する。
これくらい、許してね。
準備って(笑)
分かった。じゃあ、あとでまた連絡ちょうだい。
即レスだけでひとりでに笑みが漏れる。
思わず、スマホを胸に抱きしめた。
落ち着いてからで全然大丈夫
そこまで打って、指が止まった。
――我慢してない?私。
何か、物分かりのいい彼女を演じてるみたいな。
無理しないでって思いも、もちろん嘘じゃない。
ちょっとくらいワガママ言っても……。
でも、困らせるのは違うわよね。
文面をクリアにして、打ち直すことにした。
ほんとは少しだけ期待を込めたんだけど。
そしたら、落ち着いたらね。
仕事、無理しないで頑張って。
あと、お風呂入ったら話したいな。
電話してもいい?
―――
意を決して、送信ボタンをタップした。
すぐさま返事が来る。
今でもいいよ?
「え……」
胸がトクンと音を立てる。
どうしよう、嬉しい。
さっきまで沈んでたくせに、我ながら単純だと思う。
櫂に甘えちゃっていいかな。
でも勿体無いというか、この気持ちにもう少し浸ってたい。
ごめんね、心の準備がまだ……
ちょっぴり嘘をついて、送信する。
これくらい、許してね。
準備って(笑)
分かった。じゃあ、あとでまた連絡ちょうだい。
即レスだけでひとりでに笑みが漏れる。
思わず、スマホを胸に抱きしめた。