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きっかけは十人十色
第26章 ニアミス
『詳しくは言えないからぼかしながら言うけど、ある得意先に行った時に、そことの取引先で式典があって、うちの商品を記念品に考えてるって話があったんだ』
「うんうん」
『で、アピールできるところはしたんだけど、もう少し詳しく聞きたいって話があったみたいで、んーと……、得意先と一緒にその会社さんに行くことになって』
「うん、それで……?」
『提案を織り交ぜつつ説明したら、何日かして是非ってありがたい返答が頂けたって経緯』
「へぇ……、すごい。良かったぁ……、良かったね」
「……櫂?」
返事が返って来なくて、少し声を顰めて名前を呼んだ。
感嘆の溜め息が出て正直な感想を漏らしちゃったけど、ありきたり過ぎたかしら。
『ちょ、待って……。今、俺の顔赤くなってるから』
「え?」
『嬉し過ぎて言葉が出ないんだけど』
「な……っ」
良くも悪くも言葉と気持ちは伝染するというのは、よく聞く話。
今、まさに、私の身に起こってしまっている。
鏡など見なくても、ピンク色に染まりきっているだろうと思えるのが容易なくらい顔が熱い。
「うんうん」
『で、アピールできるところはしたんだけど、もう少し詳しく聞きたいって話があったみたいで、んーと……、得意先と一緒にその会社さんに行くことになって』
「うん、それで……?」
『提案を織り交ぜつつ説明したら、何日かして是非ってありがたい返答が頂けたって経緯』
「へぇ……、すごい。良かったぁ……、良かったね」
「……櫂?」
返事が返って来なくて、少し声を顰めて名前を呼んだ。
感嘆の溜め息が出て正直な感想を漏らしちゃったけど、ありきたり過ぎたかしら。
『ちょ、待って……。今、俺の顔赤くなってるから』
「え?」
『嬉し過ぎて言葉が出ないんだけど』
「な……っ」
良くも悪くも言葉と気持ちは伝染するというのは、よく聞く話。
今、まさに、私の身に起こってしまっている。
鏡など見なくても、ピンク色に染まりきっているだろうと思えるのが容易なくらい顔が熱い。