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きっかけは十人十色
第26章 ニアミス
少し悩んでからショコラキャラメルを注文して、番号札を受け取ってから空いた席に腰掛けた。
周りを見ると、一人で来ている人や学生と思われる女の子同士、カップルもちらほらいる。
――できることなら二人で居たかったけど。櫂、何してるかしら。忙しくしてただろうから、家でゆっくりしてるかもしれない。
待っている間は手持ち無沙汰なので、ネットニュースでも見ようとスマホを手に取ると、着信があったことを告げるライトが点滅していた。
カットして貰っている間はサイレントモードにしていたから、全然気づかなかった。
「っ!」
着信は櫂からだった。20分前?
折り返すにも、お店の中だし……。
一回外に出る……わけにはいかないわ。そろそろ飲み物が来るはず。
メッセージを作成していると、甘い香りがふわりと鼻孔を撫でる。
「お待たせ致しました、ショコラキャラメルです。ごゆっくりどうぞ」
カップとソーサーをスマートに置くと、店員さんはにっこりと戻って行った。
立ち上る湯気と、甘い香りに混ざるほのかな濃厚な香りにはそそられるものがある。
ただ、熱すぎるのは苦手である。先にメッセージを打ってしまおうと、指先を懸命に動かした。
周りを見ると、一人で来ている人や学生と思われる女の子同士、カップルもちらほらいる。
――できることなら二人で居たかったけど。櫂、何してるかしら。忙しくしてただろうから、家でゆっくりしてるかもしれない。
待っている間は手持ち無沙汰なので、ネットニュースでも見ようとスマホを手に取ると、着信があったことを告げるライトが点滅していた。
カットして貰っている間はサイレントモードにしていたから、全然気づかなかった。
「っ!」
着信は櫂からだった。20分前?
折り返すにも、お店の中だし……。
一回外に出る……わけにはいかないわ。そろそろ飲み物が来るはず。
メッセージを作成していると、甘い香りがふわりと鼻孔を撫でる。
「お待たせ致しました、ショコラキャラメルです。ごゆっくりどうぞ」
カップとソーサーをスマートに置くと、店員さんはにっこりと戻って行った。
立ち上る湯気と、甘い香りに混ざるほのかな濃厚な香りにはそそられるものがある。
ただ、熱すぎるのは苦手である。先にメッセージを打ってしまおうと、指先を懸命に動かした。