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きっかけは十人十色
第28章 繋いだ手
「ん……ふっ……ぁ」
食まれた唇から声が抜けていく。
櫂に預けていた身体も起こしきれなくなって、背中をソファに横たえた。
下から見上げる櫂の顔は、切なげで色っぽい。
左手を伸ばして、赤みがあるのとは反対側の頬に触れると、眩しそうに目を細められた。
私の髪をするりと撫でると、手はそのままVネックの隙間から胸の膨らみをふわりと撫でていく。
かと思えば、服の上をつー……と指先が滑って、キャミソールごと裾をたくし上げてウエストのラインがなぞられる。
くすぐったくて身を捩ると、背中に手が回されて胸まわりの圧迫感がなくなった。
生まれた隙間に手が差し込まれて、膨らみをやわやわと揉みしだかれる。
次第にその手は中心の蕾を弄ぶ。
この波にそのまま溺れたい。
本能と理性が渦を巻いて、上回る本能に気持ちが溶け出してしまいそう。
「か……い、ちょっと待っ………て、ぁん」
途切れ途切れに言葉を紡ぐ合間にも、櫂の唇が芯を持ち始めた蕾を吸い上げる。
意図せずして嬌声が漏れた。
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