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きっかけは十人十色
第5章 予期せぬ再会①
「木山さーん。おつかい頼まれてくれる?」
手元の仕事が片付いて、固まった肩をほぐしていると、突然用事を頼まれた。
「はい、私で良ければ」
「ありがとう、悪いね。樋渡商事の谷部長にこの書類を届けて欲しくて」
そう言って渡されたのはA4サイズの茶封筒。しっかりした硬さがあるのは、クリアファイルに入れている為だと思われる。
「分かりました」
「バイク便とか郵送だとうまくないものだから、必ず手渡ししてね。受付で営業二課で呼び出して貰えれば大丈夫」
「はい。では、行ってきます」
「気を付けてね」
ペコリと頭を下げて、足早に会社を出た。
西日が少し眩しいけど、急がないと。
樋渡商事か…柴崎さんのお勤め先だ。貰った名刺で見たから間違いない。
2区画先を曲がった先の商業ビルに入っている、3フロア分もある大きな会社。
まさか、ね。こんな広い場所でタイミング良く会うわけない。ふと浮かんだ自分の考えを否定して、エントランスをくぐった。
手元の仕事が片付いて、固まった肩をほぐしていると、突然用事を頼まれた。
「はい、私で良ければ」
「ありがとう、悪いね。樋渡商事の谷部長にこの書類を届けて欲しくて」
そう言って渡されたのはA4サイズの茶封筒。しっかりした硬さがあるのは、クリアファイルに入れている為だと思われる。
「分かりました」
「バイク便とか郵送だとうまくないものだから、必ず手渡ししてね。受付で営業二課で呼び出して貰えれば大丈夫」
「はい。では、行ってきます」
「気を付けてね」
ペコリと頭を下げて、足早に会社を出た。
西日が少し眩しいけど、急がないと。
樋渡商事か…柴崎さんのお勤め先だ。貰った名刺で見たから間違いない。
2区画先を曲がった先の商業ビルに入っている、3フロア分もある大きな会社。
まさか、ね。こんな広い場所でタイミング良く会うわけない。ふと浮かんだ自分の考えを否定して、エントランスをくぐった。