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きっかけは十人十色
第28章 繋いだ手
「ごめん、がっつき過ぎた。じゃなくて、そもそも言うべき順番ってものがあるのに。ごめ……すみませんでした」
着乱れた服を直して隣に腰を下ろすと、居住まいを正して櫂が深々と頭を下げた。
「その、さっきの……」
「ササイさん、って言ったっけ」
食い気味に言葉を被せてしまった。
ごくりと喉仏を動かすと、櫂が深く頷いた。
「話したところで言い訳に聞こえるかもしれないけど、いや……実際、言い訳か。でもごまかそうとして話すつもりではないから、それだけは先に伝えさせて」
「う、ん」
櫂の真剣な眼差しに、同じように視線を返した。
「前に電話でちらっと話したと思うけど、“浮気された”って」
「うん」
「その子がさっきの――……佐々井。それが原因で別れてから全く会ってなかったし、連絡取ってたわけでもなかった。それが、偶然取引先に転職してて、仕事絡みで再会した」
一つ瞬きをして、視線で続きを促した。
着乱れた服を直して隣に腰を下ろすと、居住まいを正して櫂が深々と頭を下げた。
「その、さっきの……」
「ササイさん、って言ったっけ」
食い気味に言葉を被せてしまった。
ごくりと喉仏を動かすと、櫂が深く頷いた。
「話したところで言い訳に聞こえるかもしれないけど、いや……実際、言い訳か。でもごまかそうとして話すつもりではないから、それだけは先に伝えさせて」
「う、ん」
櫂の真剣な眼差しに、同じように視線を返した。
「前に電話でちらっと話したと思うけど、“浮気された”って」
「うん」
「その子がさっきの――……佐々井。それが原因で別れてから全く会ってなかったし、連絡取ってたわけでもなかった。それが、偶然取引先に転職してて、仕事絡みで再会した」
一つ瞬きをして、視線で続きを促した。