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きっかけは十人十色
第6章 予期せぬ再会②
先輩と営業先から戻ってくると、エントランスには最近会ったばかりの記憶に新しい顔があった。
目が合って、じっと俺の視線を捉えている。
「木山さん?」
ええと、何でいるんだ?とは思ったが、無視することは出来なくて、声をかけた。疑問形になってしまったのは、髪がダウンスタイルだった為に若干雰囲気が違って見えたからだ。
「…柴崎さん」
まさか会うとは予想していなかったんだろう。名前を呼んだ後は、ただ沈黙だけが流れた。
「あれ、柴崎、こんな美人の知り合いいたの。彼女?」
黙ってくれていればいいものを、先輩が軽い口調で訊いてきた。
「違いますよ。彼女が会社に来るわけないでしょ」
木山さんとの関係を説明するには些か時間を要するし、“彼女ではない”ことを言うしかなかった。
黙ってくれていればいいのに、と思ったせいで続く言葉がつっけんどんになってしまったが、もう遅い。
木山さんはおつかいで来ただけだと告げて、素早く去っていった。
目が合って、じっと俺の視線を捉えている。
「木山さん?」
ええと、何でいるんだ?とは思ったが、無視することは出来なくて、声をかけた。疑問形になってしまったのは、髪がダウンスタイルだった為に若干雰囲気が違って見えたからだ。
「…柴崎さん」
まさか会うとは予想していなかったんだろう。名前を呼んだ後は、ただ沈黙だけが流れた。
「あれ、柴崎、こんな美人の知り合いいたの。彼女?」
黙ってくれていればいいものを、先輩が軽い口調で訊いてきた。
「違いますよ。彼女が会社に来るわけないでしょ」
木山さんとの関係を説明するには些か時間を要するし、“彼女ではない”ことを言うしかなかった。
黙ってくれていればいいのに、と思ったせいで続く言葉がつっけんどんになってしまったが、もう遅い。
木山さんはおつかいで来ただけだと告げて、素早く去っていった。