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きっかけは十人十色
第6章 予期せぬ再会②
木山さんがぱっと態度を変えたのは、表情の変化を悟られたくなかったからだ。
「…柴崎、いいの?追いかけなくて」
「…はい」
「それなら戻るぞ」
「はい」
先輩は深追いせずに、俺をオフィスフロアに戻るよう促した。
木山さんに連絡先を渡したものの、俺自身は彼女の連絡先を知らない。
もし日曜日、連絡を貰えなければこれっきりになる。
自分がやらかしてしまったことだ。そうなったとしても仕方がないのだれど、エレベーターの中で盛大にため息をついてしまった。
「切り替えたんじゃないの?こっちまで気分滅入るからやめろよなー」
「…すみません」
「しかし美人だったな、彼女」
「田嶋先輩、可愛い彼女いるじゃないですか。狙うのやめて下さいよ」
「俺のだからって?」
「俺の…じゃないですけど」
口に出すと虚しさが倍増して、今日二度目のため息が出た。
「…柴崎、いいの?追いかけなくて」
「…はい」
「それなら戻るぞ」
「はい」
先輩は深追いせずに、俺をオフィスフロアに戻るよう促した。
木山さんに連絡先を渡したものの、俺自身は彼女の連絡先を知らない。
もし日曜日、連絡を貰えなければこれっきりになる。
自分がやらかしてしまったことだ。そうなったとしても仕方がないのだれど、エレベーターの中で盛大にため息をついてしまった。
「切り替えたんじゃないの?こっちまで気分滅入るからやめろよなー」
「…すみません」
「しかし美人だったな、彼女」
「田嶋先輩、可愛い彼女いるじゃないですか。狙うのやめて下さいよ」
「俺のだからって?」
「俺の…じゃないですけど」
口に出すと虚しさが倍増して、今日二度目のため息が出た。